幸本紗奈/other mementos
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幸本紗奈/other mementos

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ずっと見ている・眺めていることで感じる、ぼんやりと、曖昧で、価値づけしづらい美しさ…。 写真家・幸本紗奈、初めての作品集。 幸本の写真の特徴は、その制作過程にあります。気になる対象や感覚に対して反射的にシャッターを切って、多様なイメージを撮影した後、暗室でじっくりとネガフィルムを見直し、その時点で再び心惹かれるイメージだけを、時間をかけてプリントします。サイズ、色、濃度を決めて印画紙に焼き付け、それを薬液に通して定着させる。この工程を試行錯誤しながら、ひたすら繰り返すことで、撮影した物事やその時に感じた感覚と深く向き合っていくのです。数年前のネガを掘り起こしてイメージを拾い上げることもあれば、数ヶ月前に仕上げたプリントを、色とサイズを変えて再び、焼き直すこともあります。前進と後退を繰り返しているかのようなこの作業を、本人は「ゆっくりとしか物事を考えられないので」としつつも、「時間の流れを俯瞰するため」にしているのだと話します。 そうした過程から生まれる幸本の写真には、美しさの“予感”が漂っています。現代の社会が求める「明快なコンセプト」や「印象に残るイメージ」とは逆の、ぼんやりと、曖昧で、価値づけしづらい美しさです。ゆえに、観る者の視点は自由になり、一枚の写真のあらゆる場所に、自分にとっての美しさを見出せるのではないでしょうか。表紙にあるピントのはっきりとしない部屋の写真は、幸本の作品のそうした特性を分かりやすく伝える一枚でもあります。 幸本紗奈 1990年広島生まれ、現在は、東京で活動する写真家です。 第19回写真「1_WALL」のファイナリストに選ばれるなど、これからの活躍が期待される若手写真家のひとりでもあります。 写真集のデザインを手がけたのは、アートユニットguse arsとしても活動する村橋貴博です。浮遊感のあるデザインで、幸本の写真世界をさらに心地よく鑑賞できるようにしました。フィルム写真の豊かな階調は、八紘美術による高精度の印刷で再現しました。 出版社 publisher:Baci 刊行年 year:2019 ページ数 pages:48 サイズ size:180×210mm フォーマット format:Hardcover 状態 condition:New